富士デベロプメント会社紹介

弊社が何故、糖蜜飼料(サトウキビ糖蜜)にこだわるか。

その答えはサトウキビはイネ科の植物であってチモシーなどと同類の牧草のためにその植物エキスを蘇らすのに最適だからです。

2-1 微生物の増殖環境とは

牛は、エサを食べると必ず大量の水を飲んで、ルーメン醗酵を良くするために胃の環境を整えます。

 

特に牛が必要な有機酸(VFA)を生産する微生物増殖には、弱酸性の環境が必要です。一般に微生物増殖が活発化する温度は、植物の呼吸作用の温度である初期段階で、5~25度、乳酸菌の繁殖に適した温度は25~30度と言われています。

 

生草の植物エキスには微生物の増殖に必要なホルモン、糖分などが多く含まれています。

 

しかしながら我が国の給餌状況では生草を与える環境は非常に少なく、乾牧草などで補うことが多く、NSCが不足することによっての代謝弊害が多発しています。

 

糖蜜飼料(サトウキビ糖蜜)を使うことによって、乾牧草をそのまま給餌するよりも食べる量は勿論のこと、ルーメン内の菌体蛋白を増加させることによる消化率を上げる効果があるためです。

 

素材中にNSCが豊富に存在すれば、乳酸菌などの増殖スピードが活性化することによって、雑菌の繁殖を阻止するため、良質の乳酸発酵が出来ます。

 

その時の適正水分含有率は最適なもので65%程度であって、目標範囲としては、55~70%位が適当と言われています。

2-2 微生物の栄養要求とは

名称 栄養素
① 生育必須ビタミン
2・ニコチン酸・パントテン酸・葉酸・B12
② 成長ビタミン 12・ビオチン・P-アミノ酸
③ 核内物質合成酵素 ビタミンB・葉酸・マグネシウム・イオン

 

※全ての栄養素の均衡が重要であって、液体糖蜜を加水希釈すると不均衡になりやすい傾向にあります。

特にビオチンは、生体内に発生する炭酸の活性化と転移に関係が深いものなので注意が必要です。

これが乳酸菌の増殖スピードをコントロールする栄養素で、サトウキビ糖蜜に比較的多く含まれていることは、多くの著書でも書かれています。

ビタミンB12は、微生物分裂に関連するビタミンで核酸合成には、マグネシウム・イオンの存在が必須です。

2-3 吸着原料について

糖蜜飼料に主に使われている「やし油かす」は、吸水性が高いこと、多孔質のために微生物の住み処に最適な原料として多く使われます。

 

モラセスパワー糖蜜は、水分と高い粘性があるので、植物の多孔質の媒体に熟成(積載加圧)することでルーメン内での溶出スピードを調節出来ると、これを多く使用しています。

 

従来の保税規制である点数制度という基準がない現在では、この「やし油かす」を使用し製品化したほうが、固まりにくく、扱い易い糖蜜飼料が出来るのですが、原料価格、従来からの製品価格の流れから難しい状況にあります。

 

製造工程上、原料価格で低価格とは言えませんが、新商品「モラセスパワー」もご案内申し上げますのでご参考まで。

2-4 まとめ

糖蜜飼料の主原料である糖蜜は、サトウキビ糖蜜でその植物エキス(糖分、ビタミン・ホルモン等)と有用菌類(乳酸菌・酢酸菌・プロピオン酸菌)が混在して微生物の増殖を促進する作用があって、一般に流通する精製糖蜜(液体糖蜜)とは大きく異なります。

 

また、副原料を厳選することによって、その菌体の増殖スピードを上げる効果、更に実際の給餌の際には、液体のようなばらつきがない飼養管理が可能となります。